SLEは先にも書きましたが若い女性が発病することが多い病気です。このため「結婚」「妊娠」「出産」
対する不安や心配、そのことが問題になる場合が多いようです。
●結婚●
結論から言うと、一般には「症状が安定している」人においては結婚は支障となることはありません。
ですが今後長い目で見て、家族の協力は絶対不可欠になってきますので、病気のことをよく理解して
もらっておくべきでしょう。

●妊娠・出産●
SLEが「腎臓」「心臓」「肺臓」「脳神経」などに、重い障害を与えておらず、かつ現時点でプレドニンが
1日15mg以下で、症状が安定している場合妊娠は可能
だとされています。また、この程度の量の
ステロイド剤は、胎児にも催奇性といった点でも悪影響はないとされています。
ですが先に述べた使用の可能性のある「免疫抑制剤」は胎児への悪影響が懸念されますので妊娠中
はもちろん妊娠を希望される場合も使用すべきではないとのことです。(もっとも妊娠以前に症状が悪化
した場合「使わない」と選択するのは難しいかもしれません)

早産しやすい傾向はあるようですので、妊娠したら医師の指示には従っておいたほうがよさそうです。

その他妊娠出産に関しては母体が持つ「自己抗体」の種類によって、胎児への影響が懸念される場合
がありますがほとんどの場合母体からの抗体の消失と同時になくなる症状であることが多いようです。

●産後●
分娩後しばらくして、膠原病が悪化する場合があります。授乳や育児など肉体的および精神的なストレス
が要因となると考えられます。もともと素因を持っていたけれど、今まで発病していなかった人も、これを
契機として発病する恐れもあります。

●授乳など●
授乳中の薬の影響に関しては、ステロイドの場合1日20mg以下では乳児への影響はないとされて
いますが、出産を機に増悪した場合などそれ以上のステロイドが必要となった場合、授乳はとめることに
なるようです。 

生活全般についても、やはり医師の指導に身をゆだねるということになりそうです。この病気は寛解期で
あるならば普通の生活を送ることができます
けど、妊娠や出産など、どうしても負担が増えてくる事態に
なるものですから、いくら「現に今なんともないじゃない!」と思っても、予期せぬことが起こることを想定は
しておく必要はあります。そこまでしなくても、と思う「予防」を施されるかもしれませんが、一時のことだと
我慢して、乗り切る強さも持ってください。

社会生活について・・・

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SLE基礎知識